STEP 05板金補修
板金補修について
屋根塗装の際には、棟板金(むねばんきん)の釘打ちとコーキング処理を行います。
そもそも棟板金とは、スレート、コロニアル屋根や金属屋根の頂上にある鉄板の部材です。
中身は貫板(ぬきいた)という木材で、その上に棟板金をかぶせて、横から釘で固定しています。
この釘は、どのお家でも築7~10年ほどで少しずつ抜けてきてしまいます。
原因は施工不良などではなく、棟板金の“熱膨張”です。
金属が熱で温められたときに伸びる自然現象です。
板金は日中に太陽の熱を受けて膨張し、夜気温が下がると収縮します。
膨張の時に押し出された釘は、収縮のときには一緒に戻ってきてくれません。
気温が変化するたび、何年も膨張・収縮を繰り返すことで、徐々に釘がせせり出てきてしまうのです。
塗装の前には、釘が抜けているところは全てしっかりと打ち込んでおきます。
また、錆びているスチール釘は、釘自体を交換します。
さらに当社では、今後の抜け予防と水の侵入防止のため、釘頭にコーキング材で押さえる処理も行います。
釘打ち
釘頭のコーキング処理
熱膨張は今後も日々起こるため、少しでも釘を抜けにくくするためにコーキングで押さえてあげます。
この上から塗装をして、コーキング材も保護できるようにしています。
実は、昔はこの釘抜けを放置したまま塗装する業者が多くありました。
なぜなら塗装職人の仕事は“塗る”ことで、板金や釘に関しては板金屋さんの仕事だったからです。
しかしこの釘を放置してそのまま塗装すると、お家にとって非常に危険な状態を招いてしまいます。
釘抜けが招く危険①貫板の腐食
釘を抜けたまま放っておくと、釘を伝って雨水が侵入し、中の貫板が腐食してしまいます。
腐った貫板はボロボロに弱って釘も効かなくなり、板金を固定することができません。
板金、貫板の交換で10~30万円ほどの費用が発生してしまいます。
釘を打つだけなら数万円で済んだのに、それをしなかったがために将来大きな出費になってしまう危険があります。
そんなもったいない事態を防ぐためにも、釘の処理は非常に重要です。
釘抜けが招く危険② 棟板金の飛散
指が入るほどの隙間があり、パカパカと動かせるほどの歪みができてしまっています。
このような状態になると、例えば台風などで強い風が吹き込んだときに棟板金が飛ばされ落下してしまう危険があります。
実際に、台風の後に「屋根が飛んでしまった!」とお問い合わせいただくものの大半が、この棟板金です。
棟板金は2m以上あるものが多いですし、先端も尖っています。大事な物や車、ましてや人に当たってしまったら大変危険です。
こうなるリスクを少しでも減らすために、釘の処置はとても大切なのです。
当社は、塗装工事=お家を守る工事と考えて施工しています。
棟板金の処置は塗装ではありませんが、お家を守り皆様が安心して暮らし続けるために必須の作業です。
屋根塗装の際にはきちんとチェックして、釘打ちとコーキング処理を施工させていただきます。