①塩害の影響ですぐに塗膜が劣化してしまう

藤沢市の鵠沼や片瀬、江の島といった海沿いの地域では、潮風による「塩害」が外壁や屋根の劣化を加速させる大きな要因となっています。潮風には塩分が含まれており、それが住宅の外壁や屋根に付着することで、塗膜や金属部を腐食させてしまいます。

 

特に鉄部は非常に錆びやすく、サビが進行すると部材の交換が必要になるほど傷んでしまうこともあります。また、塗膜の表面にも塩分が影響し、早期に防水機能が失われて膨れ・剥がれ・ひび割れといったトラブルにつながります。

 

塩害による劣化が進行している場合が多いため、築10年を超えた家で鉄部が錆びてしまう症状が見られる場合には注意が必要です。こうした海沿いエリアでは、耐塩性に優れた塗料を使った早めのメンテナンスを心掛けましょう。

 

防錆効果の高い錆止め材を使用したり、金属部にサビ落としの処理を丁寧に施したりすることで、塗装の持ちを大きく改善できます。一般的な住宅よりも2〜3年早めに塗装計画を立てることが、長持ちする外装メンテナンスのコツといえるでしょう。

②外壁の黒ずみや雨だれでくすんだ印象が気になる

市街地に位置する住宅では、交通量の多さや生活環境の影響から、外壁に黒ずみや雨だれ汚れが発生しやすい傾向があります。その原因のひとつが、車の排気ガスや粉塵、工事現場から舞う砂などの空気中の汚れ成分です。

 

これらが日々の風に乗って外壁に付着し、雨が降るたびに流されては跡になり、いわゆる「雨だれ」が黒い線となって残ってしまいます。塗装の艶が失われることで、表面がざらつき、より汚れが付きやすくなるという悪循環に陥ることもあります。

 

こうした症状は、見た目の美しさを損ねるだけでなく、塗膜の劣化を早める要因にもなります。塗装表面が劣化すると防水性が落ちて雨水が浸透しやすくなるため、塗膜の剥がれやクラックの発生につながることもあります。

 

このような劣化に対しては、低汚染性塗料やセルフクリーニング機能を備えた塗料が非常に効果的です。親水性のある塗膜は、雨水で自然に汚れを洗い流してくれるため、日々の生活の中で美観を保ちやすくなります。

 

少しくすんできたかも？と感じた時点で塗装の計画を立てれば、見た目の印象回復だけでなく、長期的な住宅保護にもつながります。

③北面や日陰の壁面に微生物が繁殖しやすい

藤沢市の内陸部では、緑や丘陵が多く、日照時間の短い北面や日陰の外壁・屋根にコケや藻・カビが発生しやすい傾向があります。これらは風通しが悪く湿気がこもる環境で特に発生しやすく、「気づいたら緑っぽい斑点が広がっていた」「黒ずみがどんどん濃くなってきた」といったことも多いです。

 

苔や藻、カビの胞子は空気中に常に漂っており、塗膜が劣化している外壁や屋根に付着すると、わずかな水分を頼りに繁殖を始めます。一度根を張ると表面だけでなく内部にも侵食し、放置すると塗膜の劣化が急速に進行する原因となります。

 

スレート屋根やモルタル外壁では、表面のざらつきが微生物の温床になりやすく、被害が拡大しやすい傾向にあります。また、苔や藻は見た目の汚れとして片づけられがちですが、見た目の問題だけでなく、防水性の低下、ひび割れ、雨漏りといった構造的トラブルの引き金にもなります。

 

湿気が多いエリアでは、日常的な清掃だけでは追いつかないため、防藻・防カビ性に優れた塗料を使った定期的な塗り替えが効果的です。また、施工時には高圧洗浄によって微生物を徹底的に除去した上で、下地の補修や防カビ塗料の下塗りを行うことが重要です。

 

これにより、美観だけでなく建材の寿命そのものを延ばす効果が期待できます。自然が豊かな分、湿気による影響も受けやすいのがこの地域の特徴です。少し汚れてきたかなと感じた段階での早めの対処が、長持ちする外壁・屋根につながります。