①ひび割れが目立ってきて心配

外壁やシーリング部分に発生するひび割れは、建物の劣化が進行しているサインかもしれません。例えば、モルタル外壁を採用している築20年以上の住宅では、経年によって乾燥収縮や振動によるクラック（ひび割れ）が避けられません。

 

寒暖差が大きく建物にかかる膨張・収縮の負荷が大きい地域では、細かなひびから大きな構造的損傷につながる可能性もあります。ひび割れには「ヘアクラック」と呼ばれる浅いものから、「構造クラック」と呼ばれる深くて危険なものまでさまざまな種類があります。

 

雨が降った後にひび割れ部分が黒ずんでいる場合、水が浸入して内部の下地まで傷んでいるおそれがあります。また、水分を含んだ状態が長く続くと、内部にカビが発生しやすくなり、断熱性能の低下や健康被害にもつながるおそれがあります。

 

外壁塗装は、ひび割れを美観的に補修するだけでなく、このような防水機能を回復し、さらなる劣化を防ぐ役割を担っています。ひび割れの種類に応じて、シーリングやエポキシ樹脂での補修、場合によっては下地からのやり直しが必要なこともありますが、専門的な診断と適切な対処を行えば、住宅寿命を大きく延ばすことができます。

 

練馬区は地盤が比較的安定している地域ではありますが、木造住宅が多く、台風や地震などの自然災害時には振動でクラックが入ることもあります。そのため、ひび割れを見つけたら様子見で終わらせず、早めの診断と対応を実施することが大切です。

②外壁に付いた汚れをきれいにしたい

外壁に黒ずみや雨だれが目立ってくると、以前のような明るい印象がなくなったと感じることも多いです。練馬区では環七通りや目白通りといった幹線道路沿いに住宅が多いため、排気ガスによる汚れやすすが付着しやすい環境です。これが、黒ずみや雨だれの理由の一つといえるでしょう。

 

また、庭木の多い住宅地では、風通しが悪く日陰ができやすいため、カビやコケなどの微生物が繁殖しやすく、外壁の見た目が損なわれる要因となります。これらの汚れは見た目の問題だけでなく、放置すると外壁材そのものにダメージを与える可能性があります。

 

例えば、カビやコケが繁殖した部分では水分が滞留することで、塗膜が劣化しやすくなります。また、汚れた外観は近隣の住宅と比べて目立ちやすく、資産価値の面でもマイナスの印象を与えることがあります。

 

このような状況を改善するには、まず高圧洗浄などで外壁を徹底的にクリーニングした後、低汚染型塗料や防カビ・防藻性の高い塗料で塗り替えることが大切です。最近では光触媒塗料など、汚れが付着しにくく、雨で自動的に洗い流されるセルフクリーニング機能を持つ製品も登場しており、景観を大切にしたい方にとって魅力的な塗料が多くあります。

 

一度付着した汚れは簡単には落ちないこともあるため、早めの塗装で予防的に対処することが大切です。

③夏の暑さを少しでも改善したい

練馬区は夏場の気温が35℃を超える猛暑日も珍しくないため、昼間の熱が屋根や外壁に蓄積され、夜になっても室内がなかなか涼しくならないと悩む方も多いのではないでしょうか。

 

こうした暑さの原因の一つが、建物外部の遮熱性の低さにあります。築年数が経過した住宅では遮熱・断熱機能のある塗料は使用されていないことが多いため、屋根や外壁からのふく射熱が室内温度を上げてしまうケースが少なくありません。

 

しかし、屋根裏部屋が暑くて使えない、エアコンの効きが悪い、といった悩みは、塗装によって大きく改善できる可能性があります。そこで近年注目されているのが、「遮熱塗料」や「断熱塗料」を使用した外装リフォームです。

 

遮熱塗料は、太陽光の近赤外線を反射することで屋根や外壁の表面温度の上昇を抑え、室内への熱伝導を防ぎます。断熱塗料は内部に空気層を持ち、熱を伝えにくくすることで夏だけでなく冬の寒さにも対応することが可能です。

 

実際にこれらの塗料を屋根や外壁に使用したことで、室内温度が下がり、エアコンの稼働効率が向上して電気代の節約につながったという事例も多く報告されています。特に、屋根の表面温度は最大10℃以上下がることも多く、これにより室内の快適性の向上が大きく期待できます。

 

気温の上昇が激しいエリアでは、「見た目の美しさ」と「住環境の快適さ」を両立できる遮熱・断熱塗装の導入が、有効な対策といえるでしょう。