①屋根材がずれたり反ったりしている

屋根材のずれ・反りは、雨漏りの前兆として最も見逃してはいけないサインのひとつです。スレートやアスファルトシングルでは、経年による釘・ステープルの抜け、熱伸縮の繰り返しでの留め付け部の緩み、下地合板の含水膨張や乾燥収縮が重なり、端部から浮き上がりや反りが生じます。

 

金属屋根でも、強風時の負圧でハゼやビス周りにストレスが集中し、部分的な持ち上がりや波打ちを生じることがあります。瓦屋根では、地震や強風でのズレ、ラバーロック・銅線の劣化、棟部の漆喰の欠落が積み重なると、雨仕舞いの機能性が損なわれます。

 

いずれの屋根材でも、ずれや反りのまま放置すると重なり代に風が入り込み、台風時に一気にめくれ上がるリスクが跳ね上がります。軒先ラインが乱れている、棟板金が波打っている、谷板金にゴミが堆積している、役物の継ぎ目に隙間が見える、といった兆候があれば要注意です。

 

工事は症状と屋根材で方針が変わります。スレートやシングルで反りが広範囲・下地が軟弱なら、屋根の張替えや既存屋根の上に新しい屋根を施工するカバー工法（重ね葺き工法）などを検討しましょう。

 

なお、屋根を修理した後は、台風シーズンなど強風後や大雨後の定期点検を年1回決めておくと、被害の拡大を防げます。

②錆が屋根や付帯部分に出始めた

金属屋根や板金部分、雨樋や笠木といった付帯部に錆が出始めたら、それは劣化が進行しているサインです。湿度が高く結露が発生しやすい住宅地などは、金属部分に錆が生じやすい環境といえます。

 

錆は初期段階であれば表面の錆を剥がして防錆処理や再塗装で対応できますが、放置すると腐食が進み、部材自体の交換が必要になる場合もあります。特に屋根の谷部分や接合部の錆は、穴あきや雨漏りの原因になりやすく、木材下地の腐朽を招きかねません。

 

また、錆は一度発生すると広がるスピードが比較的早く、数年で深刻な被害につながることもあります。泉区の住宅は築年数が20年以上経過したものも多く、過去にメンテナンスをしていない家では錆が隠れた部分で進行しているケースが少なくありません。

 

金属部分の劣化は建物全体の防水性や耐久性に直結するため、錆が見つかったら早めに業者へ点検を依頼し、必要に応じて塗装や交換を行うことが大切です。

③外壁の塗膜が剥がれてきた

外壁の塗膜が剥がれてきた場合、それは塗装の防水性能が低下している証拠です。降雨量が多く紫外線の影響を受けやすい環境などは外壁塗装も劣化しやすく、気付いたら塗膜が剥がれていたというケースも少なくありません。

 

塗膜が剥がれると外壁材が直接雨風にさらされることになり、内部への水分浸入を許す可能性が高まります。なかでも窯業系サイディングは塗膜による保護が必要不可欠であり、剥がれを放置すると外壁材自体が劣化してひび割れや反りを起こす可能性があります。

 

また、美観の低下も大きな問題です。外壁は建物の印象を左右する部分であり、剥がれや色あせは築年数以上に古びた印象を与えてしまいます。早期に再塗装を行えば比較的コストを抑えて対応できますが、外壁材が劣化してしまうと張り替えやカバー工法が必要となり、費用も高額になります。

 

泉区では住宅密集地が多く、見た目を気にされる方も多い地域です。そのため、定期的な外壁診断を行い、剥がれやチョーキングなどのサインが見られた時点で再塗装を検討することが大切です。