①チョーキング、色あせ、ひび割れが目立つ

築年数が10年を超える住宅でよく見られるのが、外壁や屋根のチョーキングや色あせ、ひび割れといった経年劣化です。江戸川区内では、小岩・篠崎・松江などに昭和後期から平成初期に建てられた木造住宅も多いので、外壁材の保護機能が低下し始めている住まいが多数見受けられます。

 

チョーキング現象は塗料に含まれる樹脂が紫外線などで劣化し、顔料が表面に浮き出てしまうことで発生します。見た目はもちろん、外壁を保護する機能が低下しているサインでもあり、放置していると雨水が染み込みやすくなるほか、内部の腐食やカビの原因となることもあります。

 

また、色あせや変色も日常的な日射や風雨によって徐々に進行します。江戸川区のような平地で日照時間の長いエリアでは、南面や西面の外壁が特に紫外線の影響を受けやすく、見た目が不均一になりがちです。

 

加えて小さなヘアクラック（細かいひび割れ）が広がり始めると、そこから雨水が浸入し、構造部の木材や下地材を腐らせてしまう危険も高まります。そのため、10年を目安に定期点検を行い、チョーキングやクラックが見られる場合は早めの再塗装を検討することが大切です。

②黒ずみ、煤、雨だれが気になる

環七通りや新大橋通りといった幹線道路に面したエリアでは、外壁の黒ずみや煤汚れ、雨だれ跡が気になるというケースが少なくありません。これらの汚れは、主に車の排気ガスや道路から舞い上がる粉塵、黄砂、砂ぼこりが建物に付着することによって発生します。

 

白系やベージュ系といった明るい色の外壁では、わずかな汚れでも目立ちやすく、築年数が浅い住宅であっても汚れが目立ってしまう傾向にあります。雨水が黒ずみや煤を巻き込みながら流れ落ちることで、雨だれ状の跡が外壁に残り、清掃してもなかなか取れない状態になってしまうケースも見受けられます。

 

このような汚れは外観の美しさを損なうだけでなく、塗膜の劣化を早める原因にもなります。加えて、粉塵を含んだ汚れは湿気も含みやすく、カビや苔が発生する温床にもなりかねません。

 

こうした外壁汚れを防ぐには、低汚染性やセルフクリーニング機能を備えた塗料を用いた再塗装が効果的です。また、定期的な点検と洗浄を組み合わせることで、見た目の美しさと建物の耐久性の両立を図ることができます。

③塩害の影響で金属部のサビや外壁の劣化が気になる

江戸川区は東京湾に近く、潮風の影響を受けやすい臨海地域です。そのため、塩害による劣化を受けやすい傾向にあります。潮風には微細な塩分が含まれており、それが空気中を漂って建物に付着します。

 

目に見えない塩分であっても、金属部材に吸着して酸化反応を促進することで、サビや腐食が急速に進行します。鉄部やステンレスなどが使われている部分は、塗膜が劣化していると露出した金属が短期間で赤茶けてしまうこともあります。

 

また、塩分は塗膜の樹脂にも影響を及ぼすため、塗料の結合を緩めて劣化を加速させる原因にもなります。その結果、外壁表面が膨れたり、塗装が剥がれたりといった現象が見られるようになります。

 

沿岸部にある建物では、このようなトラブルが通常の内陸部に比べて数年早く発生することも少なくありません。海風が直接当たりやすい南向きや風下側の壁面では劣化が集中しやすく、壁ごとに状態が異なるというケースもあります。

 

このため、再塗装の際には塗料の選定だけでなく、下地補修や金属部のケレン処理（サビ落とし）などの前処理が非常に重要になります。塩害のリスクを低減するためには、防錆性に優れた塗料を選択することも大切です。